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WEBセミナー

免疫器官としての腸のはたらき -

  • 33:41
  • 横浜市立大学付属病院
    肝胆膵消化器病学 診療科部長/主任教授
    中島 淳 先生

腸管は生体内最大規模の免疫器官であり、様々な病気と関係しています。この動画では、中島 淳 先生(横浜市立大学付属病院 肝胆膵消化器病学 診療科部長/主任教授)が、食物繊維(短鎖脂肪酸)の免疫に及ぼす影響について解説します。

(1)腸管免疫と短鎖脂肪酸
食物繊維は腸内細菌の発酵を受けて短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)になり、大腸上皮細胞のエネルギー源となるとともに、多岐にわたる生理活性作用(腸管粘膜免疫、免疫細胞、中枢・末梢神経系など)を発揮します。中でも酪酸は最も生理作用が強いことが分かっています。

(2)感染予防と短鎖脂肪酸
感染対策の一つとして、食物繊維を含む栄養アプローチが重要です。高熱環境下(食事量低下)のマウスは免疫応答が低下しますが、短鎖脂肪酸を投与すると改善するという研究や、高発酵性の食物繊維の投与でインフルエンザ感染マウスの生存率が向上した研究をご紹介します。

(3)食物繊維選択のポイント
食物繊維の中でも、高発酵性食物繊維(グアーガム加水分解物;PHGG、イヌリンなど)は腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生量が多いです。特にPHGGは酪酸の産生量が他の食物繊維よりも多いことが知られています。

  • プレゼンター

    横浜市立大学付属病院
    肝胆膵消化器病学 診療科部長/主任教授
    機能性消化管疾患の研究(厚労省難病研究班「慢性特発性偽性腸閉塞症」班長)
    大腸がんの発がん、予防、根治療法の開発研究
    アルコール性・非アルコール性脂肪肝炎の病態・診断・治療
    2014年NASH/NAFLDガイドライン作成委員
    2017年慢性便秘の診療ガイドライン作成委員
    中島 淳 先生