経管栄養における下剤に頼らない便秘ケア -
便秘をきっかけとした患者、医療者/介護者への負担
- 排便障害は患者にも医療者にも多大な負担を及ぼします。
2)Bodosky G, et al. the European e-Journal of Clinical Nutrition and Metabolism 4 (2009) e209–e211.
3)Coben RM., et al. Gastroenterology. 1994; 106(1): 13-8.
4)「消化器病診療」編集委員会. 消化器病診療-良きインフォームド・コンセントに向けて-. 医学書院 P277
アウトレット(便の排出)には、直腸まで便を運ぶ(トランジット)必要があります。
食物繊維でトランジットの改善
- 便秘を改善するためには、経管栄養の成分の見直しも重要であり、食物繊維に関しては3つのポイントがあります。
食物繊維の量
- 便の通過時間を短縮させるためには、140~150gの便量を確保することが理想であり、そのためには1日20〜25gの食物繊維量が必要との報告があります。一般的な流動食の食物繊維量では1日20gに満たないことがほとんどです。便秘の患者様の食物繊維量が足りているか見直しましょう。
食物繊維の種類
- 食物繊維は水溶性と不溶性、または発酵性によって分類されます。
不溶性食物繊維、発酵性食物繊維は便秘改善に有用です。
不溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維は物理的な作用から、便秘への有用性が複数報告されています。
発酵性食物繊維 グアーガム分解物(PHGG)等
- 食物繊維のなかでも、高発酵性食物繊維は体に有用な短鎖脂肪酸を多く産生します。
- グアーガム分解物(PHGG)は、便性状改善や便秘改善が報告されています。
- 短鎖脂肪酸のなかでも酪酸は蠕動運動を高めることが報告されています。PHGGは酪酸を多く産生することが報告されています。